満足の閾値があがっている
楽しい人生とは、自尊心(自己肯定感)をなんらかの要素で満たしながら生きるということである。
自尊心は社会の影響を受ける
自尊心を満たす要素は、個人でクローズしたものではなく、個人が所属する社会の影響を大きく受ける。
仮に小さな社会しか知らない場合、自尊心を満足させる要素は比較的安易に手に入るだろう。
一方、数多の世界・価値を知ってしまうと、自分自身の満足度を得るためにはそれなりの努力と投資が必要になる。
小さな子供は不満があってもお菓子を貰えば笑顔になるが、
zozoの創設者は常人では知り得ない世界を知り、それが故に己を満足させるための投資も尋常ではない。
近年は他者の影響を受けやすくなっている
現代においては、自分が属する社会以外の影響を受けやすくなっている。
情報化社会により、多様な世界、異なる階級の世界が広く一般にも知られるようになった。
従来はテレビや雑誌等のマスメディアでの限定的な情報提供であったが、近年はWeb(ブログ、SNS、Youtube等)を通じてダイレクトに情報提供がなされるようになっている。
自分以外の人間がどんな世界を経験し、どんな楽しみを持っているのか、そこらじゅうで触れることができる。
自分と同じレイヤの情報ばかりでなく、異なるレイヤの情報も自然と入ってくる。
自分は自分、他人は他人、と割り切れる人はそうそういない。
自ずと羨望の対象が増え、個人の満足度の閾値が底上げされた状態と言えよう。
時には、羨望から転じて妬みなどの感情も生まれやすい環境となりつつあるのではなかろうか。
「持つ者」は自分が持つ者であることを自認し、「持たざる者」は自分が「持たざる者」であることを自認しやすい世界になってきているとも言えよう。
うまいことやらないと、惨めな気持ちを抱えて生きていくことにもなりかねない。そんな時代となりつつあるのではないだろうか。