要領よく生きる

勉強も仕事もそこそこに自尊心を保ちつつうまいこと楽に生きたい

日本人に最適化された日本社会

日本で育った日本人にとって、日本社会は生きやすい社会と言えます。

日本はハイコンテクスト文化

日本は、グローバルでハイコンテクスト文化に分類されています。

ハイコンテクストとは、国民の多くが一定の価値観を共有しているため、すべてを言語化することなく、相手とコミュニケーションがとれる状態を言います。 「以心伝心」、「察する」、「空気を読む」という言葉はハイコンテクスト文化の表れです。

一方のローコンテクストは、文化や価値観等の暗黙の了解に依存せず、言語中心でコミュニケーションが図られる状態です。論理性が重視されます。

ハイコンテクスト文化の成り立ち

ハイコンテクスト/ローコンテクスト文化の起因は、国家の成り立ちに関係するとされています。

日本は

というような環境により、大陸諸国に比べ、異文化・異民族との接触が少なく、単一的な文化・価値観が形成されてきました。 国民の多くが暗黙的に共有する価値観があるため、多くを言わずとも、コミュニケーションが成り立つ状態にあるとされています。

私はローコンテクスト文化のドイツに住んでいましたが、国民が共有する価値観がないわけではありません。 ただ、それらに依存した以心伝心的なコミュニケーションをとるのではなく、一から理路騒然と話す手法が主流です。

古いドラマですが、渡る世間は鬼ばかりというドラマがありました。 じっくり見たことはないのですが、一人一人のセリフ(主張)がとても長いという特徴がありました。 一人一人が、自分の考えや思いを理由をつけて1から10まで長丁場で話すわけです。 日本の社会では稀有なコミュニケーションスタイルですが、私が以前住んでいたドイツではよく見られた光景です。

日本人にとって日本社会は便利

話は日本に戻ります。 日本にいると当たり前のことなので気づきにくいことですが、日本育ちの日本人にとって、日本社会は生きやすいと言えます。 国民間で価値観の共有要素が多いので、事あるごとに一から正当性を主張しなくとも、おおよそ相手の考えが察知でき/してもらえ、なんとかうまくやっていける/もらえる社会です。

一方、多くの国民が価値観を共有しているため=「暗黙の同調圧力」が働きやすいという面も抱えています。 「暗黙の同調圧力」についてはまた今度触れたいと思います。